← ブログ一覧

飲食店のリピート率と常連比率をどう掴むか|把握方法と利益への効き方

「常連が増えた気がする」は、数字じゃない

月の売上を眺めていて、「最近また顔を見るお客さんが増えてきたな」と感じる瞬間があります。でも、その感覚を誰かに報告しようとしたとき、具体的な数字が出てこないことに気づく。常連比率を「把握している」と言えるお店は、実は思っているより少ないのが現実です。

リピート率や常連比率を数字で持っていないと、何が困るのか。打ち手の根拠がなくなります。「来月は新規集客を強化しよう」「ポイントカードの設計を見直そう」といった判断は、今の常連比率を知っていてはじめて意味を持ちます。感覚で動いていると、すでに常連だらけのお店に新規集客費を注ぎ込んだり、逆にリピートが壊滅しているのに気づかないまま客数だけ追ったりする失敗につながります。

この記事では、大掛かりなシステムがなくても「常連比率をどう把握するか」の実践的な方法と、リピートが利益に与える影響を整理します。


リピート率と常連比率は別物として考える

まず言葉の整理から入りましょう。この2つは似ているようで、指している時間軸が違います。

リピート率:一定期間内に再来店した人の割合。「先月来たお客さんのうち、今月も来た人が何%か」という短期の戻り率です。

常連比率:ある期間の全来客数のうち、複数回来店している人が占める割合。「今月の客数100組のうち、2回以上来た人が何組か」という比率です。

どちらも大切ですが、日常的に使いやすいのは常連比率です。特定の期間を区切ってカウントするだけで計算できるため、記録の工夫次第で把握できます。リピート率は顧客を個人単位でトラッキングする仕組みが必要なため、顧客管理ツールや予約台帳がない場合はやや難易度が上がります。


常連比率を掴む3つの現実的な方法

「顧客データベースを作ろう」と言われても、日々の仕込みと接客でいっぱいの現場には重荷です。現実的な方法を3つに絞って紹介します。

方法1:スタッフの「顔認識」を記録に変換する

最もアナログですが、意外と精度が出る方法です。レジ会計時に「初めてのお客様か、2回目以降か」をスタッフが目視判断し、日報に記録します。

例えば、金曜のディナー帯に30組来店したとき、スタッフが「このうち常連さんは12組」と記録すれば、その日の常連比率は40%です。これを1週間分積み上げると、曜日ごとの常連比率の傾向が見えてきます。

注意点はスタッフによる判断のばらつきです。「3回以上来たことがある人を常連とカウントする」など、基準を言葉で決めておくことが重要です。

方法2:ポイントカード・スタンプカードの利用率で近似する

ポイントカードやスタンプカードを運用しているお店なら、カードを提示したお客さんをリピーター、提示がない人を新規客と見なすことで近似値が得られます。

例えば、ある居酒屋で1日の来客60組のうち、スタンプカード提示が22組なら常連比率は約37%。厳密にはカードを持っていても初回提示という場合もありますが、傾向を掴む目的なら十分です。

方法3:予約台帳・注文履歴を週次でカウントする

グルメ予約サービスや自店の予約台帳を使っている場合、同じ電話番号や名前が繰り返し登場しているかを週次でカウントできます。予約客に限った常連比率にはなりますが、記録がそのまま使えるので手間が少ない方法です。


なぜリピートが「利益」に直結するのか

「常連が大事」は誰もが知っています。でも、なぜ大事なのかを数字で説明できると、スタッフへの意識共有が変わります。

ポイントは「集客コストと来店回数の関係」です。

新規客を1人連れてくるためには、広告費・クーポン配布・SNS運用などのコストがかかります。仮に新規1組を獲得するコストが1,500円だとすると、その人が1回しか来なければ1,500円をかけてその日の売上を作ったことになります。一方、同じ1,500円の投資で来た人が10回リピートすれば、2回目以降は追加コストなしで売上が積み上がります。

これを飲食の現場感で言い換えると、「常連客は毎回タダで集客してくれている」ということです。

また、常連客は来店頻度が読みやすいため、仕込み量の判断や人員配置の精度が上がります。売上の波が安定しやすく、廃棄ロスの削減にもつながります(廃棄ロスの記録については飲食店の廃棄ロスを記録から減らす|仕込み量の決め方と記録の続け方で詳しく扱っています)。

さらに、常連比率が高いお店は客単価が上がりやすい傾向もあります。お店への信頼がある分、新メニューを試してもらいやすく、ドリンクの追加注文が自然に生まれます。


常連比率の「目安」と、異変に気づく見方

常連比率に業種共通の正解はありません。立地や業態によって大きく変わります。ただ、大まかな感覚として、

という幅がある、と理解しておくと良いでしょう(あくまで現場感覚の目安です)。

重要なのは「自店の平均値を持って、変化に気づく」ことです。例えば、自店の常連比率がいつも45%前後なのに、ある月から30%台に落ちていたとしたら、それは警戒シグナルです。新規客の取り込みが増えたのか、それとも常連客が離れているのか。この問いを持てるかどうかで、次の打ち手が変わります。

月次の振り返りで常連比率の変化を確認する習慣は、月末15分でできる飲食店の月次振り返りの流れに組み込むと続けやすいです。


常連比率を日報に組み込む

常連比率を継続的に把握するための一番の近道は、日報の記録項目に入れてしまうことです。

「今日の来客数」「今日の常連カウント」の2項目を記録するだけで、翌日には比率が計算できます。これを1週間・1ヶ月と積み上げると、曜日別・時間帯別の常連比率が見えてきます。

例えば、あるラーメン店で記録をつけはじめたところ、

という傾向が2ヶ月の記録で見えてきた、というケースが考えられます。この数字があれば、「土日は新規向けのメニュー紹介を強化する」「平日ランチはリピーター向けの特典を作る」という具体的な対応に落とせます。

日報の項目設計で迷う場合は、飲食店の日報、続かない理由は「項目の設計ミス」にあるも参考になります。


まとめ

常連比率を日報として記録・集計する仕組みを作りたい場合、「レジあと」では売上記録と一緒に来客メモを日々残せるため、常連比率の手動集計に使っているオーナーもいます。難しいシステムは不要です。まずは無料でお試しください。


よくある質問

Q. 常連比率を計算する式はどうなりますか?

常連比率の基本的な計算式は「(一定期間内に2回以上来店した組数) ÷ (同期間の総来客組数) × 100」で求められます。期間は1ヶ月単位で設定すると比較しやすいです。ただし「2回以上」の定義は店によって異なるため、「同月内に2回以上来た人」や「過去3ヶ月以内に来店歴がある人」など、自店で続けやすい基準を最初に決めておくことが大切です。

Q. ポイントカードがなくてもリピーターを把握できますか?

できます。もっともシンプルな方法は、会計時にスタッフが「初来店か再来店か」を区別してカウントし、日報に記録することです。厳密な個人単位のトラッキングは難しいですが、曜日別・時間帯別の常連比率の傾向を把握するには十分な精度が得られます。「レジあと」のような日報ツールを使うと、日ごとの記録が蓄積されるため、週・月単位での集計が楽になります。

Q. 常連比率が高いのに売上が伸びないのはなぜですか?

常連比率が高くても売上が横ばいの場合、「常連客の来店頻度は維持されているが、新規客が増えていない」または「常連客の客単価が固定化している」ことが多いです。常連比率が高いこと自体は良いことですが、一方で新規顧客の流入が止まっているサインでもあります。常連比率の数字と合わせて、月ごとの新規来客数も記録しておくと、売上の変動要因を切り分けやすくなります。

複数店舗の売上管理を、もっとシンプルに。

まずは無料でお試しください。

無料で始める